頭のてっぺんから爪先まで、至る所が悲鳴を上げていた。
動かす事すらままならない身体を男は乱暴に掻き抱く。
纏わり付くのはこの異常とも言える情事で湿った己の髪と、血と精液でべとべとになったシーツ。
酷く気持ちが悪くて一瞬気を抜くと吐きそうになり、吐瀉物が喉元にまで込み上げたが無理矢理押さえ込んだ。気持ち悪さは倍増したが吐き出すことだけはなんとか止められた。彼の前で弱さを曝すくらいなら死んだ方がよっぽどましだ。
気持ち悪さと疲労とで飛びかけていた意識が、頬に受けた強い衝撃と痛みと共に無理矢理戻される。

男はくつくつと笑い、蔑んだ目でこちらを見下ろしていた。
あかい、艶やかな唇が動く。
音はフィルターをかけたみたいに遠く、耳に届かず、動きが早過ぎて読み取ることも出来なかった。
だが、自分を虐げているであろうことは安易に想像できた。
薄く笑ってやる。傷付いたそぶりなど、たとえ戯れでも見せてやるものか。

瑠璃の瞳が一瞬鈍く光ったような気がした。ぞわりと背筋が粟立つ。と、思った瞬間息が詰まる。
なに、と考え、数瞬遅れて漸く思考が追い付いた。

喉にかかる褐色の手に爪を立てる。食い込むくらい、強く。
ありったけの殺意を込めて瑠璃を睨むと、男は下劣な笑みを浮かべた。
狂ってる、と唇を動かすが、ひゅうと喉が鳴っただけだった。
それでも何が言いたいのかは伝わったらしく、手に力が込められ、喉に負荷がかかる。引きはがそうとしたら上から狂ったような、それ以外に的確な表現が見つからないくらいの酷い笑い声が降って来た。

頭に血が上り、びくんとこめかみのあたりがが引き攣り、声にもならない声を漏らし、わざと切らないでおいた爪で男の手の甲をえぐったが、血でぬるつき、力が空回りするだけだった。
舌打ちをしたい気分だったが、当然できるわけもない。

意識が飛びそうになり、しぬ、という単語が頭に浮かんだ瞬間、身体を貫くような快楽と共に、それは解放された。
掠れた、死にたくなるくらいの酷い嬌声が己の唇から紡がれるのが、はっきりと聞こえた。
男は気がふれたかのように笑う。
自分よりも大きな掌が優しく頬に触れるのを感じて吐き気を催し、男の血で爪の紅く染まった手で冷たく払いのける。が、間近に迫った瑠璃に唇を奪われ、目をつむった。
それは恋人同士の甘いものなどではなく、完全な拒否と拒絶の表れだった。

男の舌が閉じた唇を無理矢理こじ開け、咥内を犯していくのを、朦朧とした意識の中で感じ取っていた。
今夜だけで何度犯されたのかもわからない。それが毎晩続くのだ。
肉体的にも精神的にもぼろぼろになっても、それでも仕事はこの男のせいで降って湧いたように増え続ける。
いい加減限界だった。
一際強く穿たれ、見計らったかのように離れた唇から、女のような声が発せられた。




これはゲームだ。
どちらかが堕ちるまでの。


あるいは、

どちらも既に堕ちている先の見えない終わりを求めているのかもしれない。






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懐かしいものを発掘そのに。
鬼畜ピオジェが描きたくて仕方なかった時期があったみたいです。
しかしひどい文章だ。