そうだ、これはきっと酒に酔っているせいなんだ。
そうでもなければいつものあの取り澄ました顔を歪めたい、だなんて気が狂ったような事は考えもしない。
そう、きっと熱に浮されて意識が朦朧としているだけだ。
でなきゃ幼馴染みの細い身体を組み敷くなんて、
そんなこと、するはずがない。

驚いたような顔はその妹にそっくりだった。色が白いところも細いところも流れるような亜麻色の髪も。
決定的な違いは、目の前にいる幼馴染みは間違いなく男であるという事だけだった。嗚呼、燃えるような真紅の瞳も全く違うものだ。
会ったときには既に血の色をしていたから知らないが、名前のとおり元々は抜けるような緑だったのかもしれない。髪と同じ蜂蜜色だったかもしれないし、自分と同じ、空の色だったかもしれない。

憎たらしい唇が言葉を紡いだ。
正気ですか、と。
至って正気だ。ただ少し酔ってるだけ。
薄く、しかし柔らかそうな唇はさらに言葉を吐き出す。
目を覚ましてください、と。
はっきりと目覚めている。ただ、少し酔っているだけ。

不要な言葉が紡げぬようにそっと唇を自分のそれで塞いだ。


まだ知らなくていい。
熱に浮されて、愛した人と重ねて抱いたことにしておきたい。
いまは、まだ。

決して高くはない声は俺の名前を紡いで艶めかしく笑った。


嗚呼俺はいつだってこいつに躍らされている。
ならばせめて余裕なんか飛ぶくらいの快楽に溺れさせてやろうと、その細い身体に触れた。






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懐かしいものを発掘したので。
何も考えずにぽちぽちやってると文章にまとまりがなくってだめですね。